32年間、角膜潰瘍で直らなかった子たちいないけど。。。スリットランプ買ってみた!|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

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32年間、角膜潰瘍で直らなかった子たちいないけど。。。スリットランプ買ってみた!|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

院長のブログ

32年間、角膜潰瘍で直らなかった子たちいないけど。。。スリットランプ買ってみた!

2024.09.26  病気

先ず少し解説します。

人ではコンタクトレンズによる角膜の傷が一般的ですが、ワンちゃん、猫ちゃんは自分の指でこすったり、物にぶつかったりしてなるみたいです。

飼い主様は目やにが多く出てきたことに初めて異変を感じます。

しかしこの時すでに角膜の傷が進行して潰瘍になっている事も少なくありません。

スリットランプってこんなの

スリットランプに青色光と蛍光フィルターを取り付けて観察すると、今までよりも傷、潰瘍の部分がはっきりと浮き出て見えます。

これによって病変の範囲が特定できます。

*染色を今までのブルー光線で観察

 

* スリットランプのブルー光線と蛍光フィルターで観察

1枚目よりも2枚目の方が光って見えるところが広範囲なことが解ります。

 

スリットランプに白色光を取り付けて観察すると角膜潰瘍の深さが確認できます。これによって緊急性を要する状態なのか

判断が分かれます。

*正常な角膜と水晶体

* 角膜が50%溶けて無くなっています

 

1,角膜潰瘍の治療は基本的には3種類の点眼薬で始めます。

2,自己血清点眼液と言って自分の血液を適量採血して遠心分離した後に血清部分を取り出して点眼液を作成いたします。

これを4種類目の点眼液として追加します。

3, 2の方法も有効ですがワンちゃん、猫ちゃんが小さくて血がたくさん採れない場合は苦労します

しかし10年前より再生医療を行うために幹細胞を培養していますが、幹細胞を点滴で投与するには多額の費用が発生します。

そこで幹細胞の培養液にも豊富なサイトカインが含まれていると言われているので、これを点眼したら良いかもしれないと考えました。

案の定、素晴らしい結果が出ています。ただバンテージコンタクトレンズか瞼の縫合の併用は 必要になるかもしれません。

ひどい潰瘍の場合、「これで治らなければ手術なるからね」と言って治療を始めます。最終的には「良かったね手術にならなくて」

と二人で喜んで写真撮るのを忘れるパターン。

何なら潰瘍の写真も撮ってない始末 。

写真がない~~

ごめんなさい、次回写真を保存しときますね。

1, 痛い思いをして採血しなくて良いんです。

2, ー80度に凍結保存してあるものを解凍するだけで良いんです。

3, 角膜の手術しなくていいんです。

角膜の手術してもこんな見た目ってどうなんでしょう。

点眼するだけで取りあえず穴がふさがるって画期的だと思いませんか?

 

* 更にスリットランプってこんな事も解るんですよ

左目

右目

左右の目に違いが出てきています。右の写真の角膜の下の黒く帯状の部分が左の写真と比べて狭いですよね。

 

角膜の傷や潰瘍に関しては、飼い主様に写真をお見せできる事は非常に有益だと思います。

しかし幹細胞上清液を使えばみんな治ってしまいますので、細かな診断が無くても結果は同じですね!

有れば便利かな、、、買ってみた感想です。

逆にこれは絶対なければ困る一品。

それは眼圧計 15年以上前に購入しました

緑内症は眼内の水分の出入りがうまくいかず溜まってしまい、目が風船のように腫れてしまう病気です。

風船のように腫れてしまう前に 診断しなければ失明してしまう病気です。

眼圧計で23mmHgを超えたら眼圧を下げるお薬を投与しなければなりません。

これは絶対必要ですよね。

次回は 高価なオモチャ買ってみた‼ をお届けいたします

おまけ

大豆君 三段目に上手に飛び込みました❣

人見知りがひどい、きな粉さん。私の寝床には寄ってきます‼

大豆君は病院まで2階から降りてstaffとも仲良しですが、みんな、きな粉さんを見たことないんじゃないかな❓

 

 

 

 

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