初めての動物病院 ~ワクチン編~
2019.12.23 予防
ホームページが新しくなってからの初ブログになります。
まず最初に動物病院を訪れる場面は、ワクチン接種になると思います。
難しいことは極力避けて、誰にでも解るようにまとめてみました。
ワクチンには法律で義務化されている狂犬病ワクチンと飼い主様の任意となる混合ワクチンの2種類に分けられます。
狂犬病ワクチン
狂犬病は人にも伝染する病気で発症すれば、100%死に至る病気ですので、義務化しているわけです。
「日本では1957年以降発生していないので自分は打ちたくない」と自分勝手なことは言わずに、接種はワンちゃん自身のため家族のためとお考えになってみんなで協力しあいましょう。
混合ワクチン
混合ワクチンには、
致死率が高い病気で、場合によっては2~3年間隔の接種が可能なコアワクチン
①パルボウイルス ②ジステンパーウイルス ③アデノウィルス2種
必要に応じて毎年接種するノンコアワクチン
①コロナウイルス ②レプトスピラ2種 ③パラインフルエンザウイルス
などがあり、組み合わせによって6種類の病気が予防できる6種混合ワクチン、8種類の病気の予防ができる8種混合ワクチンなどとなります。
ネズミのいるアウトドア(川や山など)に連れてく人は、レプトスピラを含んだワクチンがいいでしょう。
その他の人は、5種、6種で、充分だと思います。
初年度は、生まれて2か月目、3か月目、4か月目の3回接種となります。
混合ワクチンの副作用
混合ワクチンには、どうしても数%の割合で副反応(嘔吐、下痢、顔のむくみ、アナフィラキシーショック(血圧が下がり倒れてしまう))が起こります。
当院では幸運にもアナフィラキシーショックは発生していませんが、顔のむくみなどは数回見たことがあります。
不幸にしてアナフィラキシーショックを起こして死亡してるワンちゃんもこの世の中には存在していることでしょう。
混合ワクチン接種前の抗体検査
この様なリスクを回避するために、最近、血液検査によってコアワクチンの抗体価(病気を予防できるレベルにあるかどうか)を測定する事が可能となりました。
検査で抗体がある事が判明すれば、病気を予防出来るレベルに達しておりその年はワクチンを打たないということです。
従って、ワクチンを打たなくていい年は副反応におびえる必要はありません。
当院では、ご希望の飼い主様には、年に1度のワクチン抗体検査をお勧めしています。
詳しくはWebサイトへ
ワクチン抗体検査のデメリット
毎年混合ワクチンを打っているワンちゃんと、抗体検査を受けて充分免疫があると証明されたワンちゃんは、理論的には同等と考えられます。
しかし、ドッグランに出かけたり、シャンプーカットに出したり、ホテルに預ける時には、ワクチン接種証明書の提出を求められます。
理論的には同等でも、受け入れる側が1年以内のワクチン接種証明書の提出を希望する限り、抗体検査証明書では理解が得られない可能性があります。
このような方はワクチンを毎年接種した方がいいでしょう。
ペット業界でワクチン抗体検査が認知されるまで待ちましょう。