私のお気に入り、C-アーム君 今までありがとう❣
2025.05.28 病気
C-アームと言う機械はこんなの、手術中にレントゲン撮影したり透視撮影するもの。
20年前、まだ獣医師の世界ではメジャーな機械でなく、大学病院でも所有してないところが多かったと記憶しております。
私は一般的な骨折治療がプレート法だった時代に、どうしても骨折治療に創外固定法を導入したくてC-アームを購入しました。
当時は創外固定の教科書もなく洋書籍を購入して勉強していました。
<創外固定の洋書>
<23年前に発刊されていたプレート法の教科書>
骨折治療のプレート法とはこんなの。
骨折部分の皮膚を大きく開けて巨大な金属の板をビスで骨に固定する方法。
* メリット
骨折部分が目視できるので、きれいに元の位置に戻せる、逆に隙間が残っていると骨が治らない。
* デメリット
整復が甘いと骨折部分が空気に触れてしまった事と大きなプレイトが骨の増殖を妨げたりして治らないことがある。
時々骨が治っているように見えて、実は骨がやせていて再骨折を起こしかねない状態になることがある。
上から3本目のビスの周りの骨が細くなっている。
ストレスシーリングといわれている。
骨折治療の創外固定はこんなの。
* メリット
皮膚を大きく切る必要がない、骨折部分が空気に触れてない、よって骨がつかないことがない。
隙間があっても骨が再生して元通りになる。
ストレスシーリングを起こさない。
プレイト法では難易度が高い骨折でも、簡単に治せる ここ大事!
* デメリット
骨が少しずれている、しかし歩行には問題ない。
皮膚の上からピンが刺さってるので、見た目が痛々しい。
そしてココで皮膚の上からピンをさす時、C-アームが役に立つのです。
刺す時骨は見えてませんので、C-アームで確認しながらピンを進めていくわけです。
そしてあーだこーだ、何年も試行錯誤した後にたどり着いた究極の創外固定。
それがイリザロフリング固定。
ロシア人のイリザロフ氏が考案したものらしいです。
戦争時に手術無しでも骨の固定ができないかと考えたみたいです。
<イリザロフリング>
今までの創外固定とイリザロフリングの融合 <2024年 9月20日手術した猫ちゃん>
元の骨より太い。
2カ月でこんなに骨が成長しました。
脛骨異形成 (足の骨が曲がって成長してしまう病気)
骨を切って直ぐにしてイリザロフリングで固定してあります。
誰のだか、忘れた、、、、、、
プレート法では強度を保つためには大体1.5mm以上のビスが片側2本以上必要ですが、イリザロフリングに使うピンは1.0mmのみ2本 大きな犬で強度を増したい場合は特別な器具でテンションをかければいいわけです。
<ワイヤーテンショナー>
今では前足の上腕骨、橈骨 後ろ足の大腿骨、脛骨、背骨、骨盤どこでも使えます。
1,7kgのポメラニアン
この骨の増殖、骨が太くなって見える。創外固定の特徴。
プレート法ではこうはなりません。
1.6㎏のプードル
これも忘れた…
もう20年以上プレート法、やってないです。
ビスもプレートも不良在庫です。
岸上式プレイトセットもありましたが若い開業したての先生にあげちゃいました。
しかし何とこのC-アーム(2代目)壊れてしまいました。
もともと中古品で200万円でしたが修理不可能らしく廃棄処分!
本当に悲しいです。
一般の人では、大切にしていた年代物の車を手放す感じですかね?
新しく購入するとなると700万円だそうで、最近は骨折の症例も減少傾向にあり
獣医師人生あと10年となると購入をあきらめました。
今まであまり考えてこなかった事ですが、採算が取れない。
採算が取れていない機械 他にもたくさんあるけどね!
でもご安心ください、今では創外固定をC-アーム無しでも問題ないくらいに上達していますので!
おまかせください。
おまけ
C-アームの相棒,コリブリドリル これがないとピンが打てません。
きな粉さんと同じくらい、、結構大事にしてるで!
きな粉さん、災害時の避難訓練中、 自ら入り込む。
8.5kg、 大豆君は別格だで、そこんとこ、、、、よろしく❣
ベンガルの血がだだもれだで、と話しかける楽しい毎日❣
そこらによくいる猫 ?間違いない、、、、、