高齢犬猫シリーズ2 ホームセンターで見かける腎ケアフードってどう?
2020.02.22 予防 / 病気
まず動物病院で扱っている腎疾患フードとは?
たんぱく質が制限されていて、BUN、CRE、塩分(Naナトリウム)を減らして、更にリン(P)も制限してあります。
更に腎組織の老化を抑えるために、ビタミンEやオメガ3脂肪酸(DHA EPAなど)が添加されています。
たんぱく質は体の中で代謝され最終的にBUN(尿素窒素)となって腎臓から排出されます。
腎臓が悪くなるとBUNが排出されず血液中をずっと循環しているわけです。
この状態だとワンちゃんネコちゃんは胃がむかついてフードの好ききらいが出たり、食欲不振になったり嘔吐したりします。
だから蛋白質を制限しています。
ただ各社腎臓フードは、カロリー保持の為たんぱく質を減らす代わりに脂肪分を増やしています。
この脂肪分は各社様々で、脂肪分があまり多いと膵炎を発症する子もいます。
特に老齢犬で急にフードを変更した場合に多いようです。
ここは獣医さんに相談してその子に合う腎臓フードを勧めてもらいましょう。
また塩分が多いと血管内で水分がたまりやすくなり高血圧になります。
腎臓内の血管にも影響が出て組織に圧がかかり、血液中の蛋白質が尿に漏れたり(タンパク尿)、漏れたタンパク質が更に腎臓を傷つけて
病気を進行させてしまいます。
だから塩分を控えているのです。
人間の腎臓病の方は血液中のP(リン)を尿中にうまく排出できず、その結果骨のカルシウムが溶け出し最終的にはカルシウムとリンの結合物が血管内に付着して血管の老化、心不全に至るとなってます。
ワンちゃんネコちゃんのフードが
ザックリ「腎臓病の悪化を防ぐためリンを制限しています」
とうたっているのはこのためです。
参考までに人の食べ物でリンが多いものは肉 卵 牛乳、缶ズメの防腐剤としてのリン、インスタント麺のリン、ハム ソーセージのリンなどです。
ほとんどのタンパク質はリンを多く含んでいます。
豆知識として覚えておきましょう。
さて本題の市販の腎臓フードはどうなっているのでしょうか?
対象商品として獣医さんで扱っている腎臓サポート、キドニーキープ、K/Dシチュー缶と比較しました。
市販の商品は腎臓の健康維持ペーストタイプ
表示されている蛋白質 脂質 ナトリウム リンほぼ同じで変わりはない様です。
ただコスパは圧倒的に腎臓サポートが良く、2キロの猫で一日231円、市販のフードだと450円になります。
もう一つ、市販のフードは表示されている数字が信用できるものなのか…..どうなんでしょう??
もしワンちゃんネコちゃんが腎不全でこの様なフードを食べないとしたらどうします?
心配いりません!
別の方法があります!
食事中の蛋白質は消化され窒素老廃物となります。
そして特別な細菌は大腸に到達して腸の血管から窒素老廃物を吸収する事が可能です。
この力を利用した製品がアゾディルです。
血液検査ではBUNの低下が期待できます。
食事中のリンは食事と同時に吸着物質を投与することによって血中のリンの上昇を抑えることができます。
これを利用した製品がイパキチンとプロネフラです。
両製品には窒素老廃物の吸着のためにキトサンが含まれていますが、イパキチンがリン吸着材として炭酸カルシウム、プロネフラが炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが含まれています。
もう一点イパキチンは粉末、プロネフラは液体の形状となります。
ワンちゃんネコちゃんの好みで使い分けてください。
どのフードにも入っているオメガ3脂肪酸(DHA EPAなど)は熱処理されてます。
私の場合熱処理していないアンチノールをお勧めしています。
フードとは別に購入しましょう。
院長の大事。。。デブの
ご来院お待ちしております。