高齢犬猫シリーズ 3   気になる口の臭い編|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

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高齢犬猫シリーズ 3   気になる口の臭い編|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

院長のブログ

高齢犬猫シリーズ 3   気になる口の臭い編

2020.05.15  予防 / 病気

ワンちゃんネコちゃんも5歳を過ぎたころからお口が臭う子が出てきます。

歯石の付着から歯肉炎を起こしていると言うことです。

ただしネコちゃんの場合は難治性の口内炎が原因でお口が臭う子がいますので、獣医さんに相談しましょう。

難治性口内炎については別の機会にお話ししたいと思います。

さてお口の臭いをなくすには歯石除去を行うことで解決いたします。

歯石除去前

歯石除去前

歯石除去後

歯石除去後

 

ただし犬猫では全身麻酔が必要です。

飼い主様にとってはここが気になるところです。

全身麻酔を怖がって、麻酔の費用をケチッて無麻酔で行っても歯と歯茎の間の歯石や汚れは取れません。

ここをクリーニングしないと歯肉の下垂、歯根の腐敗、あごの骨の溶解が起こります。

 

骨が解けて穴が開いてます

上顎の溶解

   縫合後

抜歯後の縫合

10歳を過ぎたころに気付いて獣医さんに駆け込むと、歯を抜いて縫合、腐った顎の骨を削る処置が必要と言われてしまいます。

もちろん全身麻酔の下での処置ですから、高齢による麻酔のリスクは上がっています。

「高齢だから出来ません」とお断りになる先生もいらっしゃるでしょう。

歯石の処置だけなら30分前後の時間で済みますが、歯を抜いたり縫合したりすれば1~2時間かかることもあります。

高齢で処置に時間がかかればリスクが上がるのは当たり前です。

処置を行う方も、希望する側もハードルが上がりますよね。

歯石を放置したり、無麻酔処置を受けたりするのはお互いの利益になりません。

口の中が歯石で腐っていて、そのままな状態で生きているって地獄だと思いませんか?

動物虐待に相当します。

獣医さんに相談して、日ごろの口腔ケア・歯石除去のタイミングなどを相談しましょう。

もし現在高齢で歯石がひどい場合は、高齢犬の麻酔の経験値が高い先生にお願いしましょう。

歯石を取る先生じゃなくて、あくまでも麻酔管理をしている先生の経験値です。

麻酔管理

処置中は 強心薬を使って心拍数や心収縮力を上げたり血管収縮薬を使ったりして血圧を管理します。

麻酔管理

麻酔は人工呼吸器を使用して酸素と二酸化炭素を管理しています。

麻酔管理

とても獣医師一人で処置をしながらできる仕事ではありません。

もちろん動物看護師さんでも不安ですよね。

ワンちゃんネコちゃんが高齢で飼い主さんが不安であれば、麻酔担当の先生に話を聞きましょう。

要するに高齢犬、猫の歯石除去に麻酔担当の獣医さんが一人つくことが重要なんです。

飼い主さんはここを確認していただくことで安心出来ると思います。

話は変わりますが、最近口腔内の癌に遭遇することが多いように感じます。

歯石が歯肉に慢性的な刺激を与えることも一因とも考えられます。

口腔がんのICGリポゾーム光免疫療法については別の機会にお話ししたいと思います。

歯石、歯肉炎は細菌の住処で、毎日食事と一緒にばい菌を飲み込んでいるのと同じです。

その細菌が腎臓、肝臓、心臓、膵臓に入って病気を発現させているのです。

すなわち口腔ケアをしないことは万病の基と言う事です。

ご来院お待ちしてます。

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