ぴゃん動物病院の歯科治療はこんなんです。|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

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ぴゃん動物病院の歯科治療はこんなんです。|愛知県岡崎市の動物病院「ぴゃん動物病院」

院長のブログ

ぴゃん動物病院の歯科治療はこんなんです。

2023.06.03  病気

皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

私、最近日本の野菜が安全でないことにに気づいてしまったため、取り敢えず水耕栽培を始めました。

手始めにクレソン、ルッコラ、リーフレタス、パクチーの種を購入して始めております。

なんと発芽率100%! 3週間で食べれるまで成長しました。水耕栽培キットをもう二機追加してパセリ、ミニ春菊、大葉を栽培しようと思っています。

最近は発芽してある程度成長したところで、プランター栽培に移行して数の確保にいそしんでます。

 

さて本題に入りましょう。

2021年の11月歯科用のレントゲン装置を設置したことで治療法が大きく変化致しました。

2021年まで、ぐらついている歯はもちろん抜歯の対象にしていましたが、奥歯はぐらついていなくても歯根周りの骨が溶けていることがあるようで、これはレントゲンを撮らないと判断できません。

ほぼ正常

歯根の周りの骨が解けています。

これを見逃すとあごの骨が折れたり、膿瘍が進行して細菌が全身を駆け巡り入院、点滴治療に陥ってしまいます。

また肝臓の値が高くて、発熱のあるワンちゃんのほぼすべてが口内に問題があると考えております。

だから口腔内の管理が大事なのです!

皆さんが気にしているいる歯の表面についている歯石!これじゃないんですよ。

歯と歯肉の間に住み着いている細菌!

これが悪さして骨が解けていくのです。

トリミング時に無麻酔歯石除去をしてもかえって歯に傷ができるだけで、歯と歯肉の間をケアーしなければデメリットだけなんです

歯石がついている部分の歯と歯茎の間に問題があるのです。原因はそこです。

歯石を取っても原因の解決にはなりません

 だから獣医さんに任せてほしいのです。*

飼い主さんが心配するのが獣医さんの歯科処置には全身麻酔が必要になることです。

1,口腔内のレントゲン撮影! 全身麻酔が必要です

2,歯と歯茎の間の処置! 全身麻酔が必要です

3,傷をつけない歯石除去! 全身麻酔が必要です

これでなぜ全身麻酔が必要か理解していただけたと思います。

でも高齢の犬猫に全身麻酔をかけたら死んだりしないかな❓と思いますよね。

麻酔の事をいろいろ勉強している先生に麻酔をかけてもらえば安心できると思います。

注意1、 先生一人で歯科処置も麻酔管理をしているより、二人で行ってくれたほうが安心だよね。ここを注意!

ぴゃん動物病院は獣医師2名で行っています

注意2 処置の安静時血圧測ってくれますか?

麻酔中の血圧管理は、安静時血圧の±20%前後に調節しなければなりません

処置前の血圧を測ってないで歯科処置している場合、±20%を大きく逸脱してるかもしれません。死ぬことはないかもしれませんが

何年か後に腎不全となった場合、年齢のせいなのか?麻酔の影響なのか?誰もわかりません...

そこを注意して麻酔をかけてくれていれば安心に繋がりますよね。

話しは変わりますが、過去に当院に幹細胞投与を希望してこられた6歳の腎不全末期の猫二匹は、たぶんひどい口内炎のため歯を全部抜かれていました。

全抜歯は長い手術時間を要するため、±20%を守らないと腎臓にダメージを残すはずです。

少なからず影響があったと推測できます。6歳で腎不全末期って普通じゃないですから...

また高齢だから麻酔かけれませんは都市伝説です。

心臓病(弁膜症)で麻酔かけれませんも同じです。

取り敢えずご飯が食べれて普通に歩いて、走って、ガリガリでなければを麻酔は可能だと思います。

もちろん麻酔前に血液検査、心臓エコー、血圧測定を行ったうえでのことですが...

まだ心配?

それでは心臓病でこんな治療の方法があることを御紹介しましょう。

心臓病で毎日お薬を飲んでいても肺に水が溜まってしまい、利尿剤をかけながら酸素室に入院することがあります。

しかし治療に反応しない子もいます。ふつうは無理です。あきらめましょうとなってしまいます。

しかーし!    

 実は方法があるんです。

どうすると思いますか?

全身麻酔をかけて人工呼吸器にのせて、12時間~24時間あいだ肺の水を抜くために様々な薬を使って微調整するわけです。

人工呼吸器から離脱した後は飲み薬を増量して日々の生活を送るわけです。

心臓が悪い子に12~24時間全身麻酔をしているのですよ!

歯科処置で2時間くらいどうでしょう。

皆さんどう思われますか。

少しは理解していただけたでしょうか?

では高齢犬(元気で歩いてガリガリでない18歳)、心臓病の犬たちにどの様な工夫をして麻酔に挑んでいるかお話ししましょう。

基本、手術前血圧±20%を目標値にして様々なお薬を使い分けて微調節していくわけです。

グループ1 強心薬と言われる様々な薬 心臓から全身に送る血液の量を増やす作用を持ち血圧が上がります。

グループ2 血管収縮薬 血管を収縮することで血液の流れるスピードが増し血圧が上がります。

グループ3 鎮痛薬 直接血圧に関係するお薬ではありませんが、全身麻酔の量を40%減量出来ます。

 

ここでいう全身麻酔とはイソフルラン吸入麻酔のことです。

吸入麻酔のデメリットは血管を広げることで、そのため血圧が下がってしまいます。

鎮痛薬を併用することでイソフルランの使用量を減らしデメリットをなくしたいわけです。

また歯科処置にはもう一つ、局所鎮痛薬を容易に併用できるというメリットがあります。

上顎神経ブロック

下歯槽神経ブロック

これでさらにイソフルランの使用量を減らすことができます。

ここまで調節しても目標に達しないワンちやん.....いますよ

吸入麻酔あきらめま~~す

血管拡張作用があまりないと言われている静脈点滴全身麻酔に移行します。

心臓病以外のワンちゃんたちは夕方には、すたすた歩いて帰っていきます。ふらふらしている子はひとりもいません。

心臓病の子も立ち上がってワンワン吠えている子もいますが、念のため一晩酸素室にお預かりして、翌日にお返ししています。

 

口が生ごみ臭い子、毎日食事と一緒にばい菌食べてるんですよ!

そりゃ解毒のために肝臓も悲鳴上げますわ。

毎日地獄です!

 

お家でできる歯と歯茎の間のケアーは、歯ブラシ歯と歯茎の間をブラシの毛先で掻き出すイメージ)

口腔内に善玉菌を投与(善玉菌で悪い細菌を抑えるイメージ)することです。

デンタルシートで磨いている人、歯と歯茎の間のケア。

出来てませんよ!

口内専用の乳酸菌も投与しましょう。

 

今ついている歯石は関係ないです。こすっても取れません。取れても意味ないです。

獣医さんで歯肉下の処置を行うときに歯を傷つけないように取ってもらいましょう。

 

次にぴゃん動物病院の歯科処置の流れを見ていきましょう。

 

歯科処置前に血液検査、血圧測定、必要な場合心臓エコーも行います。

持ち運び可能な血圧測定器

強心薬、血管収縮薬、鎮痛剤の持続点滴のためのラインをとります。

1,鎮静剤の投与 目がトロンとしてきます。

2、血中濃度を上げるための鎮痛薬の投与、その後歯科処置中は持続点滴となります。

3,血管収縮薬の投与、その後処置中は持続点滴となります。

4、短時間全身麻酔薬の投与、ゆっくり入れている間は尾に装着したパルスオキシメーターで心拍数、酸素飽和度を確認しながら全量を投与していきます。

 

これにより意識がなくなり気道内に気管チューブの挿入が可能となります。

これに人工呼吸器、麻酔器つなげることにより

 

呼吸管理、全身麻酔管理が可能となります。

呼吸と血液循環(血圧)の完全管理.....死にません。

5、口腔内にレントゲンフィルムを入れて手持ちカメラで撮影します。

ここで抜歯する、しないの判断を行います。

6、各種モニターを接続して血圧、二酸化炭素、酸素飽和度、心電図などなどを確認します。

ここから獣医師マサミ先生の細かな調節が始まります。

強心薬。血管収縮薬,鎮痛薬の持続点滴の微調整の他にも、要所要所ほかの薬剤も追加しているみたいで、いつも忙しそうにしています。

麻酔記録、これを書いてる。獣医師が麻酔に携わらないと無理だね。マサミ先生に感謝

血圧管理のために3剤を投与する微量点滴機。役に立つ~

ここまでしないと±20%は到達できません。未来の腎臓のために.....

7,超音波スケイラーを用いて歯石を砕いていきます。

出力が強いと歯に傷がついてしまいますので、拡大鏡を使って最小の力で除去していきます。

8、歯石が除去出来ましたら歯に傷がついているといけないので、目の細かい研磨剤で磨いていきます。

9,歯と歯茎の間の処置に移ります。超音波の出力を更に低いペリオモードにして汚れ細菌などを掻き出します

10、歯周ポケットの確認をします。ポケットが深いところは必ず細菌が住みついています。レーザー光線で処置する必要があります。

レーザー光線の力には殺菌作用、腐敗した組織の除去作用、新しい組織の再生作用、歯周ポケットの収縮作用、消炎、鎮痛、止血と様々な力を発揮します。

歯と歯茎の間にレーザーの先を挿入して上記の殺菌などの作用を期待して処置を行っていきます。

12、レントゲンで確認した歯の抜歯に移ります。

奥歯の歯の根元は2個あったり、3個あったりします。さすがにこのままでは抜けません。

根元が一つの塊に分割しなければなりません。ここで必要なのが20万回転の高速ドリルです。

分割された歯はエレベーターを使って掘り起こします。

13、抜歯した後の穴にレーザープローブを上記の目的で挿入いたします。

14、抜歯した後の穴を、歯肉をはがし拡大ルーペを用いて縫い合わせていきます

15、最後に口腔内を消毒して終了となります

如何ですか、大変な処置だと思いませんか❓

結構時間もかかるんです。

マサミ先生の麻酔管理には5万円いただいております。

歯科レントゲンは1万円。

歯肉下のレーザー処置は1万円。

歯石除去+研磨2万5千円。

抜歯+縫合  抜く歯の本数、抜く歯の場所により値段が変わります。

おおよそ10万円~18万円の範囲だと思います。

安く設定してある歯科処置には訳があるはずです。

もちろん獣医師2名で、拡大鏡使用で、血圧±20%管理、歯肉下にレーザーを使用してないと思いますよ。

みなさんは歯石除去どちらがいいですか?安いほうがいいですか?

決めるのはあなた次第です!

俺の大事

*おまけ*

驚異のレーザー光線

レーザー光線で腫瘍を切除 出血なし

組織修復作用を期待して二日に一回のレーザー照射。22日後に完治する。

レーザー光線を使いこなせると治療の範囲が大幅に増えます。

ぴゃん動物病院には1号機(手術室)

2号機(診察室)

と2台常備してあります。

あなたの大事にお会いできる日を楽しみにしています。

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