どうした!あれも、これも細菌だらけ。
2024.05.28 病気
最近SNSの影響ですかね?腎不全のワンちゃん、ネコちゃんに幹細胞移植をしてほしいと言う問い合わせが多くなってきました。
全国的な統計によるところ、投与後何らかの反応が出た割合はおよそ3割だそうです。
勿論、幹細胞移植治療の介入が早いほど反応がいいようです。
腎不全末期で来院された方はBUN、CREが半分の値に下がったとしても、発作の併発や、食欲の回復が得られず残念ながら亡くなられる方がいらっしゃるのも事実です。
私の個人的な意見ですが、
①BUN50位 CRE3.0位を幹細胞移植においての初期段階として扱っています。
日帰り治療で食欲の増加による体重の増加、BUN、CREの低下が期待できます。
②BUN80、CRE6.0 位を幹細胞移植においての中期として扱っています。
2~3日預かって十分な輸液投与と幹細胞移植を推奨しています。
③BUN120前後 CRE9.0前後を幹細胞移植の末期前半としています。
7日間の入院点滴と幹細胞移植を推奨しています。
④BUN150以上 CRE12.0前後を幹細胞移植の末期後半として扱っています。
7日間以上の入院点滴、強心利尿薬の投与とアシドーシスの改善、幹細胞移植でBUN、CREを50%低下することも可能ですが、貧血、発作、食欲不振が続き、軌道に乗らない子がいるのも確かです。
確認しておきますが、幹細胞移植は機能不全に陥った80%以上の腎細胞を再生する事ではないです。
弱ってる1%~20%の腎細胞を元気にして一層頑張ってもらうようにするのが目的です。
勿論、弱っている腎細胞を元気にするサプリメントも飲んでもらいます。
週に数回のマイヤーズカクテル皮下点滴も必要でしょう。
これらを継続して行うことにより社会復帰する事を目標にしているわけです。
ただ最近気になるのが他院で腎不全と診断されたワンちゃん、ネコちゃんの尿に高確率で細菌が見つかると言う事です。
こんなのが
これも
これも
こんなのがうじゃうじゃ
細胞の中に入り込んでます
ヤバイ、ヤバイ
またまた
こんなのも
居すぎでしょ!
こんなのも
私はこの様に細菌を確認してから、検査センターに提出して細菌の同定(細菌の名前を特定してもらう事)をしてもらっています。
しかし同定できず細菌(-)と、報告書が届くこともあるのです。
不思議に思い、これらの画像を検査センターに提出すると間違いなく細菌であると返答が来ました。
なぜ培養同定できないのかとお尋ねすると、わからないそうです!
これではただ尿を提出しているだけでは、細菌が存在していても細菌(-)の報告が来て見過ごされていることになります。
困ったものです。
腎不全だからこんなに細菌が出てきているのか、もともと細菌がいたのか私にはわかりかねますが、細菌がいるよりいないほうがいいに決まっていますので、とりあえず除菌しています。
例えば幹細胞移植の初期、と判断したワンちゃんの尿に細菌が見つかったため除菌した所、元気も出てきてBUN、CREが正常値に戻った子もいました。
ただ元気がなかったのは腎不全フードを食べていたからかもしれません。
体重も1キログラム回復して毛艶もピカピカになり、今は体重増加を気にするまでに回復しました。
勿論、幹細胞移植は行っておりません。
腎不全フードはBUNの上昇を抑えるためタンパク質を抑えています。しかしワンちゃん、ねこちゃんは本来肉食なのでたんぱく質を
抑えると元気がなくなる子がいるみたいです。
あまりBUNにとらわれず、マイルドに蛋白質を抑えたフードにリンの吸着剤を添加したほうがいいように思います。
念の為に私のお勧めする腎臓用のサプリメントは飲んでもらっていますが、他は何もしていません。
皆さんに注意してもらいたいのは少しぐらいBUN、CREが高いからといって諦めないでください。
尿検査しましたか?
尿を染色して培養同定検査をしてもらいましたか?
腎臓の細胞を元気にするサプリメントを進められましたか?
血液の定期検査と腎臓用のフードだけでは何だか心配ですね。
腎臓が悪くなるのを見ているだけですよ!
まだまだやれることはたくさんあります。
幹細胞移植のステージ③、④になる前に始めてみませんか!
おまけ
きな粉さん。人見知りが激しいため、病院には1回も姿を見せません。
病院のスタッフも見たことないと思います。